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特集5
おもてなし
「おもてなし」は和の心ばかりではなく、
企業が生き残るキーワードでもあった。

「おもてなし」は、日本の美意識

日本語には、なかなか他の言語には訳しにくい、微妙なニュアンスの言葉があります。

エコ時代を象徴する「もったいない」もそうでしょう。ノーベル平和賞受賞者のワンガリ・マータイさんがその言葉そのままMOTTAINAIキャンペーンを提唱して、世界的に有名になりました。この「もったいない」は英語に訳すと、どうしても本来のニュアンスを損なってしまうのです。

そして、今回のテーマである「おもてなし」もそうです。あえて訳すとすると「Welcome」でしょうか。あるいは「Service」でしょうか。何か違う気がします。

茶道では主人が客をもてなします。それはもちろん歓迎しているのであり、サービスをしているのですが、それ以上の精神性が求められます。つまり、客のことを考え、敬い、互いに心を開き、自然な清らかな心で応対する、それが茶道の「もてなし」です。そこには、一種の日本の美意識がはっきりと表れています。


パソコンに必要なのは「おもてなし」!?

しかし、逆にある英語の訳語に「おもてなし」とついた例があります。それは、『現代用語の基礎知識2008』に収録された「ユーザー・エクスペリエンス(User Experience)」の訳語として「おもてなし」が採用されたのです。

エクスペリエンスといえば、日本では普通「経験」と訳されます。しかし、同時に「体感」というようなニュアンスもあり、たとえばどこかへ出かけて行って、いい体験をしたときにもエクスペリエンスという言葉が使われます。そこで「ユーザー・エクスペリエンス」とは、パソコンを開発するときなどに重要となるのですが、それによって“いい体験”ができるようにするための一つの考え方なのです。

同じ様な言葉に「ユーザー・インターフェース」という言葉がありますが、これは個々の操作の分かりやすさを表すのに対し、「ユーザー・エクスペリエンス」とはトータルに快適に使ってもらうための考え方の指標と言えます。

つまり、パソコンやデジタル機器を開発するときに必要となるのが、実は「おもてなし」の精神だったわけですね。


「おもてなし」こそ企業の生き残り戦略

この「おもてなし」の精神で作られたのが、YouTubeやアップルのiPod、iPhoneそして今話題のiPadと言われています。パソコンを使うのだったら、基本操作くらい覚えてこいよ、ではなくて、パソコン操作を知っている人も知らない人も、ともに楽しめるものを開発する、それは相手を敬い、互いに心を開いて楽しい時間を過ごすという「おもてなし」の心があればこそです。

これまで企業は「顧客満足」を考えなければ、成功しないと言われてきました。しかし、それはよく考えてみれば「顧客を満足させる」という一方的な企業の上から目線とつながらないとも限りません。そうではなく、「おもてなし」の心で製品を共に楽しみ、良い体験を共有し合うという精神こそが、これからの企業の生き残り戦略の有力な方法かもしれません。




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